【第9回】相続税ってかかるの?

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申告が必要な人・必要ない人の違いとは?

「相続税って、誰でも払うの?」
「自分たちにも関係あるのか心配…」

そんな疑問を持っている方も多いかもしれません。
実は、相続税がかかる人は、全体のごく一部です。
とはいえ、「申告が必要なのに放っておいた」ということになると大変なので、
今回の記事では、相続税がかかるかどうかを判断するポイントを、やさしく解説します。

1. 相続税とは?

相続税とは、亡くなった方から財産を引き継いだときに、
一定額を超えた人に課せられる税金です。

引き継いだ財産の総額が、ある基準を超えない限り、相続税は発生しません。

2. 相続税がかかるかどうかの目安:「基礎控除」

相続税がかかるかどうかのカギは、**基礎控除(きそこうじょ)**です。
この金額までは税金がかからない、いわば「非課税のライン」です。

計算式は次のとおり:

3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)

例えば、相続人が配偶者と子ども2人の計3人の場合:

3,000万円 +(600万円 × 3)= 4,800万円

つまり、相続財産の合計が4,800万円以下なら、相続税はかからないということになります。

3. 相続税がかかるかどうか、どう調べる?

まずは、財産の「総額」をおおまかに見積もってみましょう。

よくある財産の例:

  • 預金(銀行口座など)
  • 土地・建物などの不動産
  • 株や投資信託
  • 車や貴金属
  • 生命保険金(一定額を超える部分)

これらを相続時点の時価で合計します。

「よく分からない」「土地の価値ってどう見るの?」という場合は、
税理士や不動産の専門家に査定してもらうと安心です。

4. 相続税の申告が必要なケース

財産の総額が基礎控除を超える場合、相続税の申告が必要です。

  • 相続開始(亡くなった日)から10か月以内に税務署に申告
  • 相続人全員の分をまとめて提出
  • 税額が出れば、期限内に納税

遅れると延滞税や加算税がかかるので要注意です。

5. 「生命保険金」や「退職金」も要チェック

「保険金は非課税じゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、
正確には、一部が非課税です。

たとえば、生命保険金は
500万円 × 法定相続人の数までが非課税。
それを超える分は、相続財産として扱われます。

退職金も同様です。

6. 相続税の対象外になるケースも

以下のような制度を使えば、相続税の対象から外れる(または減額される)ことがあります。

  • 配偶者控除:配偶者が受け取る財産は、最大1億6,000万円まで非課税
  • 小規模宅地等の特例:住んでいた家や事業用の土地について、一定条件で評価額が下がる
  • 未成年者控除、障害者控除などの個別控除もあり

こうした制度は、適用できるかどうかの判断が複雑なので、税理士への相談が安心です。

7. まとめ

相続税がかかる人は実は少数ですが、次のことをしっかり確認しておきましょう。

  • 基礎控除の範囲内かどうかをまず計算
  • 生命保険や退職金も含めて全体の財産を確認
  • 10か月以内の申告が必要かどうか、早めに判断

「うちはかからないと思っていたけど、実は対象だった…」ということもあるので、
不安があれば専門家に相談してみてください。


次回は、**「専門家に頼むべき?自分でできる?相続手続きの進め方と費用感」**をテーマに、
司法書士・税理士・弁護士など、誰に何を頼むべきか、自分でやる場合との違いを詳しくお伝えします。

お楽しみに!

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