前回の記事では、信頼できる不動産のプロの探し方について説明しました。
今回からは、売却に向けた実際の活動について説明していきます。
まず売却活動のスタートは査定です。今回はその「査定の前段階」について説明していきます。
売却理由を明確にする。
売却理由を明確にする。
家を売却するには明確な理由があります。
例えば
・実家を相続したが、管理できないので売却したい。
・相続税の支払いができないので、家を売却したい。
・夫婦で老人ホームに入ることにしたので、家を売却したい。
・夫(又は妻)がなくなり、自分は子供の家に住むことになったので、家を売却したい。
・転勤になり、もう戻ってこないので、家を売却したい。
などです。
この理由を明確にすることで「いつまでに売却する必要があるのか」を決めることができます。
プロに査定を依頼する。
売却理由(いつまでに売却する必要があるのか)を明確にしたら、プロに家の査定の依頼をします。
なお、査定といっても、市場に出回っている商品のように「メーカー希望小売価格」というものがあるわけではありません。
それぞれの不動産は、その時期や売却先、そして売却方法によっても価格が変動するということを認識しておく必要があります。
時期によって価格が変動するとはどういうことか?
時期というのは、例えば、景気が良いときは不動産の価格も上がり、景気が悪いときには不動産の価格も下がるというような視点があります。
また、1か月で売却したいのか、3か月で売却したいのかといった視点もあります。
当然、売却までに3か月かけても良いというのであれば、査定価格よりも100~200万円程度(一般的な住宅の場合)高く売出をするということも可能になります。
売却先によって価格が変動するというのはどういうことか?
売却先というのは、主に次の2パターンがあります。
(1)不動産業者に売却する。
(2)不動産業者以外に売却する。
不動産業者に売却する場合、不動産業者は、購入した家をリフォームし、付加価値を付けて再販売したり、家を取り壊し、新築にして売却したりします。
当然不動産業者も土地を相場のままの価格で購入しては赤字になってしまいますので、売主からすると不動産業者への売却は、それ以外に売却するよりも価格を下げて(安く)売却することになります。
ですが、売主にとって不動産業者に売却するメリットもあります。
それは、不動産業者が買主の場合だと、それ以外に売却する場合に比べて、売主がやらなければならなくなるような「面倒なこと」を全て買主である不動産業者が引き受けてくれるということです。
その面倒なこととは、具体的に言うと
・残置物の処分
・測量
などがありますが、
もっと大きなメリットとしては、
・契約不適合責任を免責にしてもらえる
といったことです。
この契約不適合責任の免責とは、分かりやすくいうと「業者に売った場合は、売った後にどのような問題があったとしても、業者は売主に何の責任を問わない」ということです。
不動産の取引は、売った後に何らかの問題が発覚し、トラブルになることも多いので、これは売主にとって大きなメリットになります。
当然、これらの「売主にとって面倒なこと」を認めない不動産業者もいますが、その場合は認めてくれる業者を探せば良いのです。
売却方法によって価格が変動するというのはどういうことか?
売却方法というのは、主に家をどのような状態で売却するかということです。
これについては主に次の3パターンがあります。
(1)家は現況のまま売却する。
(2)家を取り壊し、更地として売却する。
(3)家をリフォームし、キレイにして売却する。
まず、リフォームしてきれいにすることは考える必要はないです。
リフォームをして販売するのは不動産業者の仕事であり、リフォーム工事もリフォーム業者に何のコネもない一般の方が依頼するよりも、不動産業者が普段から付き合いのあるリフォーム業者に依頼した方が安く工事ができるのは当たり前だからです。
また、リフォームに多額のお金を投入して、万が一、売れないとなった場合、売主は多額の金銭的なダメージを被ることになります。
したがって、売主が考えるのは「家をそのまま売却する」か「更地にして売却する」かということになります。
なお、これについては「家をいつまでに売却しなければならないか」という売主の事情と密接に関係してきますので、プロと相談しながら決めていきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
以上のように、不動産は時期や売却先、売却方法等によって売り出しの価格が変わってきます。
家を「いつまでに売却をしなければならないのか」も含めて、プロと相談しながら決めていけば良いでしょう。