【第8回】名義変更の手続きってどうするの?

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預金や不動産の手続きガイド

相続の話し合い(遺産分割協議)がまとまったら、次は実際に財産の「名義変更」を行う必要があります。
銀行口座も不動産も、亡くなった方の名義のままでは使ったり売ったりできません。

今回は、よくある名義変更手続きである「預貯金」と「不動産」のケースについて、
初心者でも分かるように、やさしく解説していきます。

1. なぜ名義変更が必要なの?

財産の名義が亡くなった方のままだと、

  • 銀行口座は凍結されて引き出せない
  • 不動産は売却も賃貸もできない
    といった問題が発生します。

つまり、「相続した人の名義」に変えることで、初めて自由に使えるようになるのです。

2. 預金の名義変更(銀行口座の解約)

銀行口座は、亡くなったことがわかるとすぐに**凍結(引き出しできない状態)**されます。
相続人は、必要な書類を揃えて、口座を解約し、相続人に分配する手続きを進めます。


【必要書類の例】

  • 故人の死亡届(除籍謄本や死亡診断書など)
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書(全員の署名・押印付き)
  • 各相続人の印鑑証明書
  • 通帳・キャッシュカードなど

銀行によって少しずつ違うため、事前に窓口やHPで確認しましょう。


【流れの一例】

  1. 銀行に連絡し、相続手続きの書類をもらう
  2. 必要書類を揃えて提出
  3. 銀行で審査・確認
  4. 相続人の口座に分配、または現金で受け取り

※数週間〜1か月ほどかかることがあります。

3. 不動産の名義変更(相続登記)

亡くなった方の持っていた土地や建物の名義も変更が必要です。
この手続きのことを**「相続登記(そうぞくとうき)」**といいます。


【相続登記の流れ】

  1. 登記申請書を作成
  2. 必要書類を添えて、法務局へ提出
  3. 登記完了通知を受け取る

【必要な書類の例】

  • 登記申請書(専門家に依頼するか、法務局HPに書式あり)
  • 被相続人の戸籍一式(出生から死亡まで)
  • 相続人全員の戸籍
  • 遺産分割協議書
  • 不動産の固定資産評価証明書
  • 相続人の住民票・印鑑証明書など

【誰が申請するの?】

相続人自身で行うこともできますが、司法書士に依頼するケースが多いです。
書類が多く、ミスするとやり直しになるため、不安な場合は専門家に相談すると安心です。

4. 2024年から「相続登記」は義務化に

実は、これまで相続登記は「任意」でした。
しかし、2024年4月から法律が変わり、「相続を知った日から3年以内に名義変更(登記)をすること」が義務となりました。

これを怠ると、**10万円以下の過料(罰金)**が科されることもあります。
相続が発生したら、なるべく早く登記を済ませましょう。

5. 名義変更の注意点

  • 相続人が多いと書類の準備が大変になることも
  • 書類の不備や押印ミスでやり直しになることも
  • 相続税の申告期限(10か月)との兼ね合いにも注意

少しでも不安があれば、司法書士・税理士・銀行の窓口などに相談するとスムーズです。

まとめ

名義変更は、相続手続きの中でも実務的で時間がかかる部分です。

  • 銀行口座 → 必要書類を揃えて、解約・分配
  • 不動産 → 相続登記をして名義を変更(義務化されました)

焦らず、順番に進めていけば大丈夫です。
必要に応じて専門家の力を借りながら、しっかり対応していきましょう。


次回は、「相続税ってかかるの?申告が必要な人・必要ない人の違いとは?」というテーマで、相続税の基本と申告が必要なケースをやさしく解説します。

お楽しみに!

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